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zoom RSS 期待値(2) 新しい期待値の定義式

<<   作成日時 : 2010/10/06 15:04   >>

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Aの箱に0,1,2,3,4のカードが1枚ずつ入っている。Bの箱には、0,1,2,3のカードが1枚ずつ入っている。

ここで、A,Bからカードを1枚ずつ取り出してその合計値の期待値を求めてみる。

まず従来の期待値の定義式で求めてみる。(a,b)は、A、Bから引いた数字がそれぞれa、bということを意味する。

0となる確率 = 1/20    (0,0)
1となる確率 = 2/20    (0,1) (1,0)
2となる確率 = 3/20    (0,2) (1,1) (2,0)
3となる確率 = 4/20    (0,3) (1,2) (2,1) (3,0)
4となる確率 = 4/20          (1,3) (2,2) (3,1) (4,0)
5となる確率 = 3/20               (2,3) (3,2) (4,1)
6となる確率 = 2/20                     (3,3) (4,2)
7となる確率 = 1/20                          (4,3)

よって  
 (0・1+1・2+2・3+3・4+4・4+5・3+6・2+7・1)/20
=70/20=7/2 

期待値は、7/2


一方、期待値は平均値であるから、次のようにも求められる。

     Aの箱からとるカードの数字の期待値は(0+1+2+3+4)/5=2
     Bの箱からとるカードの数字の期待値は(0+1+2+3)/4=3/2

     よって、期待値は 2 + 3/2 = 7/2


なぜ、定義式に従うと面倒な計算になってしまうのだろうか?これは、合計が同じになる事象を1つにまとめることに原因がある。

例えば、(0,3) (1,2) (2,1) (3,0) 

これらは、異なる事象として、それぞれの確率は1/20として処理すれば済むにも関わらず、従来の定義式ではこれらをまとめて、「Aから取り出した数字とBから取り出した数字の和が4となる場合」という1つの事象とみなし、そうなる確率を
4/20として計算している。


 今度は次のように考えてみる。


 (0+0)・1/20+(0+1)・1/20+(0+2)・1/20+(0+3)・1/20 
+(1+0)・1/20+(1+1)・1/20+(1+2)・1/20+(1+3)・1/20 
+(2+0)・1/20+(2+1)・1/20+(2+2)・1/20+(2+3)・1/20 
+(3+0)・1/20+(3+1)・1/20+(3+2)・1/20+(3+3)・1/20 
+(4+0)・1/20+(4+1)・1/20+(4+2)・1/20+(4+3)・1/20 


要するに、たとえば和が4になる事象 (0,3) (1,2) (2,1) (3,0) について、

3×4/20としないで、

(3+0)・1/20  
(2+1)・1/20    
(1+2)・1/20    
(0+3)・1/20
  
という具合に、バラバラにしたことになる。

これを少し変形すれば、
 (0+1+2+3+4)/5 + (0+1+2+3)/4  
=(Aから取り出した数字の期待値)+(Bから取り出した数字の期待値) 
となる。


つまり、値が等しくなっても、無理に同じ事象とみなさないことで、期待値の計算が簡潔になる。

上の計算をもう少し一般化してみる。

事象の数が20個である。これを、A1,A2,・・・・,A20とする。
それぞれの事象が起こる確率をP(A1),P(A2),・・・,P(A20)とする。勿論、今回の場合、すべて1/20である。
また、各事象において、Aから取り出した数字とBから取り出した数字の和を対応させる関数を f とする。
例えば、A1:(0,0)  A2:(0,1)  A3:(1,0) などとすると、 f(A1)=0  f(A2)=1  f(A2)=1
とうい具合になる。

こうすると期待値を求める式は次のようになる。

f(A1)・P(A1)+f(A2)・P(A2)+・・・・+f(A20)・P(A20)


これを一般的に書くことで、次のような新しい期待値の定義式を得ることが出来る。


------------------------------------------------------------ 
E=f(A1)・P(A1)+f(A2)・P(A2)+・・・・+f(An)・P(An)

A1,A2,・・・・・,Anは事象で、どの2つも重なることがなく、全ての和は全事象
P(Ak)は、Akの起こる確率、f は、各事象に何らかの数値を対応させる関数
------------------------------------------------------------ 



異なる事象がfによって同じ値が対応する場合に、それらの事象を「同じ事象」とみなしたものが従来の期待値の定義式。したがって、新しい定義式は従来の定義式を内包している。また、新しい定義式と従来の定義式が同じ値になることも明らかである。


次回は、この定義式を使って、

E(X+Y)=E(X)+E(Y)  E(aX+bY)=aE(X)+bE(X)    などが成り立つことを示す。

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