数学研究

アクセスカウンタ

zoom RSS 4平方の定理

<<   作成日時 : 2010/11/04 09:52   >>

驚いた ブログ気持玉 6 / トラックバック 0 / コメント 4

 三角錐の4つの三角形の面のうち、3つが直角三角形であるとする。
直角三角形の面積をそれぞれ、P,Q,R,残り1つの三角形の面積をSとする。P,Q,R,Sの間にどのような関係があるか?




(第一段階)ヘロンの公式

 三角形の各辺の長さが与えられていれば、三角形は確定するので、面積も確定する。だから、三辺の長さをa,b,cとすれば、この面積はa,b,cの式で表せるはずである。

 それが「ヘロンの公式」だが、結構ややこしい形をしていて覚えるのは大変だし、私自身も思えていない。覚える必要はなくて、導けばいい。

 まず、三辺が与えられているから、1つの角に注目すれば、余弦定理でその角のコサインが求まる。 余弦定理を知らなくても、補助線を引いて何とか求めることは出来る。

 いずれにしても、コサインが求まればサインも求まる。サインが求まれば、その角を挟む2辺の長さの積にサインを掛けて2で割れば、面積が求まる。

 ヘロンの公式など不要。さらにこの過程は、中学までの数学理解でも可能。サイン・コサインというのは単なる定義に過ぎず、何ら新しいことをやっているわけではない。サイン・コサインの定義を知らなくても出来る。

 例えば、サイン2乗+コサイン2乗=1 は三平方の定理に過ぎない。




(第2段階)

 三角錐をO-ABCとして、∠AOB,∠BOC,∠COAが直角であるとする。
OA=a OB=b OC=c とすると、
直角三角形でない三角形の各辺の長さは、
√(a^2+b^2),√(b^2+c^2),√(c^2+a^2)

ここから、第一段階の手順で面積と求めることが出来る。

 また、直角三角形の面積は ab/2,bc/2,ca/2

 これらから、

■ S^2 = P^2 + Q^2 + R^2

が求まる。4平方の定理!


結果は綺麗だし、3平方の定理の3次元バージョンになっていて面白いが、導き方は、粛々と計算するだけで、あまり面白くない。 




(別解)

 座標空間に平面図形が浮いているとする。簡単のために、とりあえず、x,y,z座標がすべて0以上の領域に浮いているとする。図形の面積をSとする。

 この図形に、x軸に平行な光を当てた場合、
yz平面に出来る図形の影の面積をはどうなるだろうか?

 これは光と面との角度によって異なってくる。面に垂直な線を考える。この線と光(つまりx軸)とのなす角をαとする。(αは0°以上90°以下として定義する)

 こうすると、yz平面に出来る影の面積は、Scosαとなる。

 面に垂直な線とy軸との角度をβ、z軸との角度をγとして同様に光を当てたとすると、

 zx平面に出来る影の面積はScosβ
 xy平面に出来る影の面積はScosγ


 ここで、(cosα)^2+(cosβ)^2+(cosγ)^2=1 が成り立つことを確認する。


 そうすると、

Sの2乗= yz平面に出来る影の面積の2乗
     +zx平面に出来る影の面積の2乗
     +xy平面に出来る影の面積の2乗

 となる。


三角錐に話を戻すと、影が3つの直角三角形、Sが直角三角形ではない三角形となる。




(補足)

 別解は、感覚的イメージ的に S^2 = P^2 + Q^2 + R^2  が成り立つことが理解できるが、説明的になってしまって、

 試験の解答としては、採点者に分かってもらうのが難しいという危険を冒すことになり、最初の方法の方が無難と言える。


 しかし、別解のように面に垂直な線を考えるというのは発展性がある方法である。

 もう少し詳しくいえば、

平面図形に対して垂直方向のベクトルを考える。
ベクトルの大きさは面積とする。
垂直方向といっても2方向あるので、面には表裏があるとしておく。
このようなベクトルを考えることで非常に綺麗な公式が色々出てくる。

例えば、空間中の多面体の外側を表として、各面に対して面積の大きさと面に垂直な方向を持ったベクトルを考えると、これらのベクトルの和は0となる。

また、曲面についても、微小な面を平面とみなして同様のベクトルを考えることで、面積分なども出来る。

 これらは、物理、とりわけ電磁気学の理解に大変役立つ。

月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 6
驚いた 驚いた 驚いた
面白い 面白い
ガッツ(がんばれ!)

コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
数学的感覚ですね。
驚いた
2010/11/09 22:02
 読んでいただき、有り難うございます。誤字脱字がありましたので、訂正しました。
大場数理学院
2010/11/09 23:32
別のトピックから飛んできた通りすがりですが、とても面白いですね。
主旨から外れますが、3つの直角が1つの点を共有していない場合はどう考えたらよいでしょうか。
たとえばデカルト座標で(0,0,0),(1,0,0),(0,1,0),(1,0,1)を頂点とする場合です(4つの面がすべて直角三角形ですね)。
ゆた
2010/11/19 20:55
>ゆたさん
コメントありがとうございます。

 なるほど、その場合すべての面が直角三角形ですね。そのことで特別に何かがいえるかどうかわかりませんが、後でゆっくり検証してみます。

 一般的には、平面図形でいう余弦定理に相当するものを作ることができます。

 外からの書き込みなので、それに関しては近日中に改めて書きますね。
大場数理学院
2010/11/23 12:54

コメントする help

ニックネーム
本 文
4平方の定理 数学研究/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる